たわ言と暴言に満ちた僕の音楽遍歴

名もない、しがない、金もない僕の音楽遍歴にどんな需要があるのだろう。でも誰かに話したくて仕方がない。そんな僕の音楽評論を装ったエッセイブログです。

エル・クンバンチェロと若き日の才能

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幼稚園の頃の話である。

お遊戯会で僕らは鍵盤ハーモニカで演奏をする事になっていた。

すでに演奏曲は先生が決めており、その曲が収録されているCDを聴いてたのか、演奏曲を決めるためにCDを聴いていたのか忘れてしまったが(おそらく前者だと思う)、エル・クンバンチェロがCDから流れた。

曲が流れた瞬間、これカッコいい!これやりたい!と口々に言ったが、先生が「楽譜ないから無理やで」という処刑宣告を放ちお蔵入りになりかけた。

そんなお通夜ムードの中、ある男の子が「僕、わかるよ?」と声を上げた。 

ニュー・サウンズ・イン・ブラス '95

ニュー・サウンズ・イン・ブラス '95

 

 

  

彼の名前を(仮称)しんすけくんとしよう。

しんすけくんは、少し不思議な子というかおっとりしている。誰かと話す時もワンテンポ遅いが故にあまり、集団の輪の中で率先して喋るような子どもではなかった。おそらく、宇宙人と交信でもしてたのだろう。

そんな、宇宙人しんすけくんであるが、おもむろに鍵盤ハーモニカを手に取り、なんと、たどたどしくはあるものの、エル・クンバンチェロを再現するではないか。

僕も含めてキッズ達大興奮である。「スゲーーー」「どう弾くのか教えて!」この日宇宙人しんすけくんはクラスのヒーローになったのである。

そいで、なんやかんやあって発表会の本番でも無事にエル・クンバンチェロを演奏したのであった。

元々は何の曲を演奏する予定だったのかとか、本番はどこまで演奏したのかとか、このエピソードについては抜け落ちている情報が多すぎる。

だが、僕にとって異次元の能力(後にそれが音感であると知る)を発揮した、しんすけくんの輝きと、楽器を演奏することへの高揚感は今でもずっと残っている。

思えば楽器を演奏する楽しさを感じたのは、このエル・クンバンチェロが初めてだったかもしれない。

しんすけくんは、小学校に入学して2,3年後に引っ越してしまい、その後の交流はない。

彼は今も音楽をやっているだろうか?

そして、匿名とはいえ宇宙人呼ばわりをした事に謝罪をしつつ、この話は終わりとしたい。

 

数多のブログからこのブログを読んで頂きありがとうございました。

また会いましょう。